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 12.確定給付か?拠出か?

 年金話も三回目になりました。さすがに今回で最後になるでしょうが…
 まぁ私もエエ加減社会人になる(まだ数年先ですが)ことですし、ちゃんと復習&考察しておかなくてはいけないと感じますね〜

 では、最後の話としては、「確定給付年金と確定拠出年金のどちらがいいのか?」ということについて考察していきたいと思います。


 簡単におさらい

 10.年金ってどうよ?基礎知識編でも述べていましたが、簡単に確定給付年金と確定拠出年金についての要旨を述べてみましょう。


 確定給付年金とは?

 ・ 満期の後にもらえるカネ、すなわち給付金の金額がまず決定している年金
 ・ 「総年金額が○○円だから、毎月××円の支払い」というように決定する
 ・ 見込んだ金利によって運用できると想定するため、それ以下の利回りの場合は運用機関が負担を負う。
 ・ ユーザー(年金を受ける側)にとってはとても気楽な年金です


 確定拠出年金とは?

 ・ 拠出、すなわち毎月支払うカネがまず決定している年金
 ・ 「毎月××円の支払いを積み立てて、満期に○○円の給付」というように決定する
 ・ 実際に可能だった金利によって給付額が決定するので、元金割れのリスクもある。
 ・ ユーザーに対して責任を振られるため、相応の知識がないと扱いにくいです


 具体的な比較をしてみると?

 さて、簡単におさらいをしたところで具体的に数字をあげてみましょう。

 確定給付年金の場合

 さまざまなタイプの年金がありますが(国民年金基金、厚生年金、共済年金、小規模企業共済など )、とりあえずシミュレータがシッカリしている
国民年金基金(A型[15年給付保証、終身]を1口)をモデルにして考えていきます。

  A型1口、加入者(昭和55年5月1日生25歳、加入年月35年0月予定)

 掛け金の月額 … 10,830円
 35年間の掛け金総額 … 10830×12×35=4,548,600円
 受け取り給付金年額 … 360,000円
 保証期間(15年)の給付金総額 360,000×15=5,400,000円

 複利計算による年利 … 0.96%
 所得税、住民税控除を考慮した実質年利 … 2.13%
 (所得税、住民税の合計税率を20%と仮定しています)

 こうなります。
 まぁ給付が保証されている間の期間だけ合計した金額ですので、もっと長生きしたら金利は高くなります。



 確定拠出年金の場合

 これの方がよっぽどタイプが多いので、一概には言えませんが…
 条件をそろえるために、掛け金の月額は10,830円としておきましょう(実際は1,000円単位ですが、まぁご愛嬌)。また、利率に関しては選ぶ商品によってまちまちですので、この部分は一旦保留としておきます。
 で、やっぱり国民年金基金が提供しているもので、東京三菱銀行によって運営されているものを基準にすると…

  加入者情報(昭和55年5月1日生25歳、加入年月35年0月予定)

 掛け金の月額 … 10,830円
 35年間の掛け金総額 … 10830×12×35=4,548,600円
 手数料月額 … 国民年金基金へ(加入時2,000円、月額100円)
            東京三菱銀行へ(月額420円)
            三菱信託銀行へ(月額63円)
      合計   月583円

 所得税、住民税控除のみから考慮した実質年利 … 0.91%
 (所得税、住民税の合計税率を20%と仮定しています)
 手数料などを考慮し、上記の確定給付年金と同じだけの給付額を得るために必要となる年利率 … 1.25%

 …ヲイ。手数料の月額だけで、5%を持っていかれているやないかい!
 で、年利率1.25%を超えなければ確定給付年金でやった方がイイ、という結論が…
 その上15年以上(80歳以上)生きた場合にはさらに確定給付年金の方が有利になる、と…

 ちなみに、給付を受ける際にも手数料を取られます。あぁ…それでいて元本保証もなし、元本割れしても自己責任の名のもとに切り捨てられます。

 年金控除がなければほとんどウマミのない金融商品かもしれません…
 「リスクをとれば相当のリターンを得ることもできる」と説明されていますが、

老後の保障であるはずの年金でリスクを犯してどうする

 と言いたいですね〜リスクを犯すだけの覚悟があるのであれば、株や外貨、不動産などリターンの大きい金融商品はたくさんありますから。


 さてさて、こんなところでしょうか。
 ざっくりと比較しただけでも確定拠出年金のアカン部分が際立ちますね…
 まとめると、

・ 年金は金融商品として優秀だが、かけるなら確定給付年金がオススメ
・ 確定拠出年金は、手数料による負担が大きすぎる
・ リスクをとる覚悟があるなら株とかをした方がイイ

 てなところです。

 もちろん、私の調査は完璧ではないので、調べればもっとローリスクでハイリターンとなるステキな確定拠出年金があるかもしれませんよ。(さすがにプロではないため、全てを網羅することは不可能なので、その辺は各個人が調査してください。申し訳ありませんが。)

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